松の種子技術開発研究会
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研究成果

■松の種子殻の廃棄物を役立てたい!


長年の努力のかいもあって、松の種子オイルやエキスを抽出する事には成功しましたが、同時に殻の廃棄物が山のように残りました。しかしこれまで繰り返し述べてきたように「松」にははかりしれないパワーがあります。廃棄物にも人間にとって必要な何かがあるに違いないと私は考えました。

そこで思いついたのが「炭にできないか」ということです。私はある年の冬、妻と二人で山奥の炭焼き小屋を尋ねました。袋に入れた殻の廃棄物をトラックに積み込んで、山の中の煙が出ている所に行き、炭焼き小屋の主人に頼んで焼いてもらったのです。

しかし「焼けましたから来て下さい」と言われ、中に入ってみると、墨はおろか灰さえもすべて燃え尽きていました。他の炭焼き小屋でも試してみましたがうまくいきません。松の種子殻のような細かいものを炭にするのは、どうやら至難のわざのようです。どうしたものかと悩んでいた時に、広島県に炭焼き名人がいることを知らされました。

名人のアドバイスで、ようやく炭が焼けたときの感激は忘れられません。初めて見る「松果炭」はまさに烏の濡れ羽色で、何ともいえない光沢のある美しい色をしていました。

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■可能性に満ちた世界初の開発「松果炭」


このように松の種子の長年にわたる研究は、思いもかけない素晴らしい「副産物」を生みました。それが「松果炭」です。松の種子殻を、日本古来の炭焼きの技法によって炭化(熱分解して炭素だけになること)させたものです。これまた、世界で始めての、有効性と可能性に満ちた開発だと自負しております。


松の種子殻のような小さなものがそのまま炭になること自体、実は非常に驚くべきことといえます。あまり小さいと燃えつきてしまい、灰しか残らなくなってしまうからです。ところが、松の種子殻の場合は極めて硬いこともあって、炭にすることができたのです。

木炭には大きく分けて、黒炭と白炭があります。

通常、黒炭は炭焼き窯で蒸し焼きにし、炭化が終わると、酸素の供給を止めて消化すると出来上がります。一方白炭は炭焼き窯で蒸し焼きにし、仕上げの段階で窯の中に空気を入れ、より高温でさらに燃やし、頃合を見て窯から出し、水分を含ませた消粉をかぶせて素早く冷やします。

「松果炭」は黒炭の一種であり、また木炭の王様とも言われる「備長炭(びんちょうたん)」は白炭の一種です。なお「松果炭」の成分は表にある通りです。

炭素が99%、そしてカリウム、ケイ素、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄などミネラル分を豊富に含みます。ミネラル分は炭化しても消えませんし、しかも原材料から炭になる間に濃縮され、水にも溶けやすい性質を持ちます。
松果炭のミネラル成分(%)

炭素 99.0
カリウム 0.47
ケイ素 0.18
カルシウム 0.090
リン 0.027
マグネシウム 0.023
クロリン 0.022
硫黄 0.021
アルミニウム 0.018
0.013
マンガン 0.005
ナトリウム 0.0035
0.00049
ニッケル 0.00040
亜鉛 0.00036
ブロミン 0.00034
その他 0.12591

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■除湿、消臭、浄化、吸着効果に優れている


「松果炭」は火をつけて料理や暖房などに使う、いわゆる「炭」としては使えません。火をつけると線香花火のようにパチパチとはじけてしまいます。

では何に使うかというと、除湿、消臭、浄化、吸着などに優れた威力を発揮します。部屋はもとより、押入れ、下駄箱、また車の中などに置いたり、吊るしておけば、消臭、吸着、除湿に大変効果的です。冷蔵庫に置けば、すぐれた脱臭剤になります。

また、水道水も浄化して、良質な水にします。「松果炭」は最高級の浄化作用物質であり、水に溶けやすいミネラル分が含まれることは先に述べた通りです。作り方は水道水2リットルに、「松果炭」大さじ1ぐらいの割合がひとつの目安になります。

お風呂に入れても、肌へのお湯の感触が大変まろやかになるのに加えて、体の芯まで温めて血流を促進してくれます。その理由として、「松果炭」のミネラルが溶けてプラスイオンになること、「松果炭」が30℃以上の温度で遠赤外線効果を発生させること、が挙げられます。入浴用として使う場合はお湯300リットルに「松果炭」コップ2分の1ぐらいの割合でいいでしょう。

いずれの場合も、「松果炭」を木綿などの袋に入れて使うようにします。ゴミなどを吸着したら袋だけ洗えばよく、繰り返し使うことができます。

なお、植物の肥料や、水槽の水質調整剤などに利用しても効果が期待できます。

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